顧客)XやInstagramで集客をした場合は通信販売だよね?
僕)まあ、そうです。
顧客)なら、SNSで集客してコンサルティングのサブスクを売るのも通信販売だよね。
僕)いや、電話勧誘販売や訪問販売として扱われる場合もありますよ。
顧客)どういうこと?
もう、何百回もそんな問答を繰り返したのかわかりません。
「SNSで集客したのだから、コンサルティングのサブスク契約を販売しても通信販売じゃないの?」
そういう声も聞こえてきそうですが、基本的にはその通りなんです。
SNSでフロント商材を2,980円で販売するとの広告を表示し、ウェブでの注文フォームから受注をしたのなら、それは間違いなく通信販売です。
でも、フロント商材を注文してくれたユーザーとXのDMやLINEでつながって、その流れで月額9,800円のコンサルティング(バックエンド・サービス)を販売した場合は電話勧誘販売になるのですよ。
だから集客の起点がSNSだからといって、その流れで契約したものが全て通信販売になるわけではないのです。
つまりバックエンド・サービスのセールス活動もウェブの広告だけで行っていたなら通信販売での契約になるのですが、LINEなどで個別説明をしていたら電話勧誘販売にみなされるということですね。
これ、通信販売なのか電話勧誘販売なのかは、特定商取引法の観点では販売側の負担が段違いになります。
通信販売であれば、取引条件をウェブに表示して、最終確認画面に漏れのないよう記載をしておけばとりあえず問題は生じません。クーリングオフの対応も必要はありません。
これは販売側にとっては言葉が悪いですが楽勝状態です。
しかし、電話勧誘販売の場合は、紙文書での契約書を交付する義務が生じる上に、クーリングオフに対応する義務も生じます。
これはなかなか厄介で面倒です。
国がDX化の旗振りをして何でもかんでもデジタル対応をしている中で、敢えて紙で契約書を交付しなくてはならないのです。郵送の手間と費用がハンパないので勘弁してほしいところですが、電話勧誘販売とみなされたら対応するしかありません。面倒ですよね。
「特定商取引法の契約書のデジタル交付が2023年の法改正で解禁されたんじゃないの?」
そういうあなたは事情通ですが、これも全面解禁ではなく、原則としては紙での契約書交付義務は継続しているのですよね。そのあたりの詳しい話は別の機会にでも。
そんなわけでLINEやDMで個別に関連商品(クロスセル)や上位商材(アップセル)のセールスをしたら自動的に電話勧誘販売に認定されると理解しておくとよいです。
その契約書交付義務を無視して放置したり、メールで契約書のPDFを交付していたりしたら、それは消費者庁の行政処分(営業停止)や1年経過してもクーリングオフ対象になるという地獄を見ることになってしまいます。
「メルマガなら一斉配信なので個別セールスじゃないから通信販売だよね?」
そういうあなたは更なる事情通ですね。
確かにメルマガは一方通行ですから勧誘ではなく広告になります。だから基本的には通信販売です。Substackもメルマガ配信だからサブスクを売っても通信販売だ、やったね!
でもね、それでも100%の安心はできないのです。
2017年の有名な最高裁判決に「クロレラ判決」というものがあります。
その判例では、「(一見では)広告だからといって、そこに勧誘性が認められないわけではない」というややこしい判断を示しているのですよ。
SNSやメルマガなど一般常識としては広告(通信販売)とされるものでも、セグメント化して閲覧者の個別事情に触れて勧誘性が認められるものは電話勧誘販売と認められる可能性があるのです。
後から電話勧誘販売と認定されて慌てるよりも、事前に電話勧誘販売用の契約書を郵送した方が良いというケースも多いのです。
8日以内にクーリングオフをされるケースは増えるのですが、それよりも1年後にクーリングオフされたり行政処分を受けるよりは痛みは小さいという判断が出来るかどうかですね。
デジタル取引には、販売側の事業者にとってもこのような落とし穴が多いので、そのようなリスクを予防するための知識について記事を書いていきます。
マーケティングの話題が3割くらい、法務対応の話題が7割くらいのイメージになるかと思います。継続して読んで頂ければデジタル取引の対応力が蓄積できることでしょう。
気になることがあれば、お気軽にリプライやリスタックでお尋ねください。
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こういった内容の記事はあまり読んだ経験が無いですが、攻めのマーケティングだけでなく守りの法務知識についても分かりやすかったです。
マーケと法務のバランス感覚、大事ですね🐾