インターネットで情報発信をしていたら、いろいろな場面で「特定商取引法の表示」というタイトルのページを目にすることがあると思います。
これって通販サイトでの表示義務であって、メルマガやニュースレターの情報発信では関係ないと思ってみえませんか?
実は情報発信者にとっても特定商取引法は無関係の存在ではないのです。
というよりど真ん中の直球ストレートで影響のある分野であって、対策が必要不可欠なんです。
そうはいっても、noteやSubstackで無料の情報発信をしているだけなら「関係ない」という理解で問題ありません。
ただ、有料の情報発信をするなら特定商取引法の規制がバリバリに影響してくることを把握しておかなくてはなりません。
本記事では、有料で情報発信をする場合の特定商取引法の2つのチェックポイントと対策について書いていきます。
情報発信における特定商取引法の2つの義務
noteやSubstackを利用して有料で情報発信をする場合、以下の2つのパターンがあります。
(A)noteやSubstackのプラットフォーム内での有料発信機能を用いる場合
(B)プラットフォームの外部で情報商材や有料メルマガの販売を行う場合
(A)パターンでは、プラットフォームが特定商取引法への対応を行い、必要な情報はプラットフォームが代行して表示するので、発信者は特別な対応をする必要がありません。
そのまま普通にプラットフォームの機能のみを利用し続ければ問題はありません。
(B)パターンでは、プラットフォームの外部で情報販売を行うことになるので、発信者が自己責任で特定商取引法への対応を行わなくてはなりません。
ホームページで情報商材を販売したり、ZOOM等で面談サービスを行い課金する場合には対応が必要になります。
この(B)パターンは、特定商取引法の「通信販売」ルールに従った表示を行うことが必要になります。
その「通信販売」ルールとして重要なのは以下の2点です。
(1)「特定商取引法の表示」(第11条)を適正に表示すること
(2)「最終確認画面」の6項目の記載義務事項(第12条の6)を適正に表示すること
特に「最終確認画面」の表示内容に不備があった場合は、行政処分の対象になるだけではなく、相手方消費者に契約の取消権(返金請求権)が認められることになります。
そうなった場合はサービス提供後にも返金が必要になるという問題も生じるので、必ず適正な表示を行わなくてはなりません。
この「通信販売」の2つの表示義務について以下に解説します。
特定商取引法第11条の取引条件の表示義務
通販サイト等では「特定商取引法の表示」という名称のページが設けられていることが多いです。
これは特定商取引法第11条により通信販売事業者に定められた表示義務に対応するものです。
ウェブサイトに取引条件等が表示されていればよいのですが、商品ページごとにバラバラに表示するよりも「特定商取引法の表示」ページを設けてまとめて表示した方が管理上の都合が良いので、そうした形式で対応しているウェブサイトが多くなっています。
特定商取引法第11条の表示義務事項は以下のとおりです。
<特定商取引法第11条>
1.商品・サービス・権利販売の対価(販売価格と送料の表示)
2.対価の支払い時期
3.商品の引渡し時期 権利の移転時期 サービスの提供時期
4.定期購入の場合には申込期間の定めと内容
5.契約の撤回や解除についての事項
6.その他の省令(第8条)で定める事項
<同法省令第8条>
1.販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
2.販売業者又は役務提供事業者が法人であって、電子情報処理組織を使用する方法により広告をする場合には、当該販売業者又は役務提供事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
3.申込みの有効期限があるときは、その期限
4.販売価格以外に購入者又は役務の提供を受ける者の負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額
5.契約内容不適合(不良品など)がある場合の販売業者責任の定めがあるときはその内容
6.プログラム・データを記録した物を販売する場合にはその動作環境
7.商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件(いわゆる定期購入契約)
8.商品の販売数量の制限その他の特別の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件があるときは、その内容
9.広告表示事項の一部を表示しない場合で、カタログを有料負担させる場合はその金額
10.通信販売電子メール広告をするときは、販売業者又は役務提供事業者の電子メールアドレス
情報発信の場合でも、これらに該当する項目を漏れがないように記載しなくてはなりません。
基本的には、上記事項を箇条書きで網羅して記載すれば問題はありません。
副業など、個人でビジネスをしている方で、本名や住所を秘匿したい場合はウェブサイトには記載せず、
「本名や住所は、請求があれば直ぐにメール送信にて開示します」
と明記しておけば、ページ上にすべてを常時表示しなくてもよい、という運用でもOKです。
ただし、この表示をしても注文や問い合わせ時に、本名を含む特定商取引法第11条の指定事項を全て記載したメール返信を怠った場合は違反行為になるので、運用には注意しなくてはなりません。
それでも匿名にして住所を秘匿したいという場合は、レンタルオフィスや情報販売業者に代行販売を委託するといった準備をしましょう。
特定商取引法第12条の6の最終確認画面の表示義務
特定商取引法第12条の6には「最終確認画面」の表示義務の規定もあります。
この「最終確認画面」の表示義務に記載漏れなどの不備があると消費者に契約の取消権(返金請求権)が生じるのでダメージは大きくなります。
(第11条の表示については消費者の取消権は認められていません)
日本の通信販売ルールでは、「通販は返品・返金の請求ができない」ことになっていますが、「最終確認画面」の不備については返品・返金が可能になるので注意が必要です。
「最終確認画面に不備があったから、読了後の情報商材についても返金してほしい」
こう言われたら返金に応じなければならなくなります。
マジで気をつけたいところです。
その表示義務事項は以下の6項目です。
(1)商品分量
(2)価格
(3)支払時期と方法
(4)引き渡し時期、提供時期
(5)解約条件
(6)申込期間
特に定期購入(サブスク)の契約では、購入期間や合計額の表示が求められるので注意が必要です。
有料メルマガも定期購入契約になるので以下の記載例を参考にして適正に表示して下さい。
更に気を付けなくてはならないのは、この6項目は「最終確認画面」の画面内に収まるように表示しなくてはならないことです。
利用規約など、外部ページに表示するのは記載不備とみなされます。
実際に以下のような表示をして消費者庁より処分を受けた事例があるのでガチで気をつけてください。
noteとSubstackの特定商取引法への対応
noteやSubstackのプラットフォーム内の機能だけで有料発信をする場合は、特定商取引法の表示義務についてはプラットフォームが代行して表示しています。
noteは以下のように特商法表示に対応することを明示しています。
※特商法の表示について|note
販売者開示請求については、請求者からクリエイターへではなく、note宛てに郵送またはリクエストを送信ページからメールにて請求するという手続きになっています。
その際、請求者にはnoteの定める書類に必要事項を記入してもらうというハードルを用意しており、クリエイターの個人情報を保護する姿勢を明確にしています。
プラットフォームの機能を利用するだけなら、個人で特定商取引法の対策は不要ということになります。
個人の情報発信者としての特定商取引法の対策
プラットフォームの機能を利用するだけではビジネスを拡大させるには力不足の面があります。
特にSubstackは、現時点では日本国内の利用者数が少なく、プラットフォーム内部だけでビジネスを成立させるのは無理ゲー状態といえるでしょう。(国内では有料ニュースレターだけで、1,000万円以上を稼ぐ人は極めて少数ではないでしょうか?)
そうなると外部サイトやZOOM・LINEなどの外部へ誘引してビジネスを行う必要性があります。
そうしたインターネット利用のビジネスを行う場合の特定商取引法対策としては、下の2点について徹底的に注意することに尽きます。
(1)「特定商取引法の表示」ページを適正に表示する
(2)「最終確認画面の表示事項」を適正に表示する
この基本を守ればインターネットでビジネスを積極展開しても怖くありません。
記事内容を繰り返し確認しながら、漏れのないように表示をして下さい。
この2つの表示についての具体的な記載例については、有料記事になりますが以下のリンク先noteをご参照下さい。
ネット・SNSビジネスで特定商取引法の違反リスクを避ける表示・広告対策|note
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